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アマゾン追うヨドバシの実力

2015.07.09 (Thu)
ヨドバシカメラが、インターネット通販サイト「ヨドバシ・ドット・コム」で驚異的な成長を遂げている。家電はもちろん、ゴルフクラブなどのスポーツ用品、有機野菜やコメなどの食料品までも購入できる、家電量販店のサイトとは思えない幅広い品ぞろえが受けたためだ。店頭での対面販売で苦戦するヤマダ電機などの競合もネット強化で対抗するが、先行したヨドバシの背中は遙かかなただ。総合通販サイトの王者、米アマゾン・ドット・コムすら意識させるヨドバシの快進撃の勢いは、とどまりそうにない。

取扱品目370万点

「取り扱っている品目は約370万点に達する」-。ヨドバシカメラでEC事業を統括する藤沢和則副社長はそう豪語する。家電量販の他社サイトでも生活用品や雑貨などを一部で取り扱っているが、扱いは数十万点~百数十万点程度にとどまる。ヨドバシほど多岐にわたる商品群を取り扱っているのは異例中の異例だ。強みは、それまで品ぞろえが薄かった商品を充実させられる対応力だ。「生鮮食品とファッションの取り扱いが少なかった」(藤沢副社長)というが、6月からは、焙煎したコーヒー豆の注文も受け付けるなど生鮮食品も拡充し、顧客の要望に応えてきた。

こうしたきめ細やか対応が実り「ヨドバシ・ドット・コム」の売上高は今年度1000億円近くに到達する見通しだ。

投資も増やす。急増している受注に応えるため、川崎市の自社所有の倉庫を増築し、2年後に延べ床面積約25万平方メートルの巨大物流拠点として生まれ変わらせる。倉庫規模はアマゾンが日本国内に持つ最大の物流拠点「小田原フィルメントセンター」の約20万平方メートルを5万平方メートル上回り、ヨドバシのネット通販事業にかける意気込みを裏付ける。

配送スピードで勝負

ネット通販で最も重視されるのは、商品が自宅までどの程度で届くかの配送速度だ。ヤマダ電機は午後3時までにネットで商品を注文すれば近隣の店舗から社員が即日配送するサービスを導入するが、サービスは店舗営業時間内に限られる。ビックカメラも一部地域、商品を除く日本全国送料無料サービスなどを導入しているが、大型商品は出荷後2~7日後のお届けとなり、制約があるという課題を抱える。

これに対し、ヨドバシは宅配業者に依存しない同社独自の物流システムをいち早く構築、利便性の高さと配達の速さで優位性を打ち出している。たとえば夏場に冷蔵庫が故障したり、パソコンが夜壊れて代替機を翌朝までに用意したりしなければならないといった緊急事態にも配送対応ができるという。藤沢副社長は「夜12時までにネットで注文をいただければ、都内なら最速、翌朝8時には無料でお届けできる」と胸を張る。

店頭とポイントや特典を統一

受け取り場所の多様性も強みだ。仕事で自宅で商品を受け取る時間のない会社員向けなどには、ネット通販で購入した商品を「マルチメディアAkiba」や「マルチメディア梅田」で24時間受け取れるサービスも展開。「多様なライフスタイルのお客さまの要望にあわせることが最も大事だ」(藤沢副社長)といい、受け取り方法の選択肢多様化で、幅広い顧客の取り込みにつなげる狙いだ。

ヨドバシは近年、消費者の購買スタイルの多様化に合わせ、ネット通販と店頭販売におけるポイント付与率や特典を統一。店舗でのクレジットカード払いで8%だったポイントはネット通販や現金払い時の10%にする一方、ネット通販を対象に1万円以上の高額商品について無料で90日間修理保証していたサービスについては店頭でも拡大する。

こうした取り組みによって急拡大するヨドバシの通販事業は、アマゾンも脅かしつつある。アマゾンの2014年12月期の日本の売上高は79億1200万ドル(約8400億円)と群を抜くが、伸び率は14%増と、13年の20%増から鈍化した。前年比5割程度の伸びとなった「ヨドバシ・ドット・コム」の追撃も影響しているとみられる。国内家電量販は、昨年4月の消費税増税後の消費の落ち込みで、厳しい環境にあり、ヤマダ電機は今年6月末までに国内全店の5%強に当たる約60店舗を閉店する。店舗中心の対面販売にも、限界が見え始める中で、ヨドバシのネット通販事業における成功は、家電量販の生き残りに向けた新たな方策を示す「道しるべ」になっているのかもしれない。(産経新聞)

流通業の脅威とされているアマゾンに日本的な手法で対抗する。今後が見ものだね。

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